科学の理解を助ける本
理論物理学者池内氏が,子ども向けに“科学”を解説した本.
やや古いが非常に示唆に富む内容だと思う.
とくに二章の「科学の考え方」は,私自身科学を再考するのにもってこいの文章であるほか,エセ科学との違いを明確に記述していたりして面白い..
それに,三章の「科学はどのように生まれたのか」も優しく,要点を押さえて書かれていて,誰かに紹介する際には,私も積極的に引用させてもらいたいと思うほどの文章になっている.
書かれた時期が,オーム真理教の事件,阪神・淡路大震災が発生し,地球温暖化が危惧されはじめたときであることと,子どもに向けた本であることから,“科学”そのものが悪いわけではなく,それに携わる人・科学者の意識・倫理と,それを政治的に利用しようとする国や組織の関わり方が問題なのだと,再三述べている.
“ジュニア”新書ではあるが,むしろ大学生に読ませたい文章が沢山ちりばめられた良い本でした.
科学全般を考える好材料。
いまを活躍する科学者が、高校生ぐらいの若者に、科学とはどんなものかを説く。もちろんおとなが読んでもタメになる。 前半は、科学のキホンとなる考え方を紹介している。たとえば、科学の理論は「原理・仮説」「法則」「保存則」の三つに大きくわけられることや、科学では「対称性(不変性)」が大切、といったことなど。 中盤以降は科学の過去・現在・未来の姿を見せていく。自然哲学が科学へとどのようにかわっていったのか。いまの科学(宇宙論や生命起源、非線形など)はどういったものか。未来の科学のどうあるべきか、を示している。 よく、科学者はみずからの専門分野に没頭しがちだと耳にする。けれども著者は、自分の専門(宇宙)ではない分野の科学も積極的に知ろうとしている。科学全体を見渡しているから、この本のような「科学とは何か」といった大きなテーマも語ることができる。 理系に進むか文系に進むか迷っている若い方には、理系(科学)について考えるよい材料になるだろう。また、親や先生など子供を教育する立場の方にとっても、「科学とはなにか」を子供たちに伝える材料を多く得られることだろう。
岩波書店
十五歳の残像 地球がわかる50話 (岩波ジュニア新書) 自然をつかむ7話 (岩波ジュニア新書) 高校生のためのメディア・リテラシー (ちくまプリマー新書) バイオマスは地球環境を救えるか (岩波ジュニア新書)
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